予防線を張らせて頂きますと、徹夜明けの頭なもので論理的思考が出来ていないかもしれません。
こちらの内容と、合わせてtwitterで見た意見について。
どっから話すかなあ。
まず、記事の内容について個人的な意見を述べますと
「まあ自分の作ったものならなんでもいいんじゃない?」
っていう適当な考えです。
と言うのも、絵本の公開に至るまでの経緯はよく知りませんがこの記事の限りでは西野さんの同機に悪意はなく、むしろ道徳的であるかもしれません。
私は同人程度の本を作製していくプロセスは把握しているつもりですが、こういった公の出版というのは素人ですから口出ししようにもわかりません、なので西野さんの『理想』については立派だなあと思う次第です。
発売から3か月で2000円が無償になることも現代社会においては別段不思議だとは思いません。もっとも、現代社会の風潮が問題だというならば別の議論になってしまいますが。
しかし、この私の意見の裏には後述する「製作過程に関わった人達の了解」が当然あるものだとしています。
一方わたしのtwitterで流れてきた意見が
「ただの馬鹿宣言だった。無料公開は自分の責任において好きにしたらいいけど本質は違うよね。他すべての作家を十把一絡げに金の奴隷と見下し「糞ダセー」呼ばわりしたいだけだよね。人間のクズじゃねえか。」
「待ってこの絵本しかも西野一人が描いたんじゃなくて、分業制って出てきたんだけど調べたら。もととなる絵コンテを西野が描いてイラストレーター33人関わってるだと…。最悪だな。クリエイターを殺す気なのかよ。」
とのことでした。(tweetを埋め込みで引用する気はありませんのでソースは適当に調べてください)
率直に私はここまで批判されるのかーと思いました。こちらのtweetした方がそういう業界に詳しく、今回のことがどれほど問題であるかというのをわかってのtweetだと思いますので反論するなどとはおこがましいと思いますが、アカウントを見るにそういった方でもなさそうですし、なんなら『個人的に触りたくない』感じでした。
まず、『他すべての作家を十把一絡げに金の奴隷と見下し「糞ダセー」呼ばわりしたいだけだよね。人間のクズじゃねえか。』これはひどい意訳だと思います。
少なくとも『他すべての作家』を明確に非難している風には見受けられません。
こういう気分がわからない人種なのかもしれませんが、「他人は許せるけど自分がそれをする、それであることが許せない」という感情は確かに存在します。今回はそれが「西野さん自身がお金に囚われて本来の対象である層に自分の創作を見せられない事」だということです。
よくある論理展開として
「ある物が高価すぎて買えない層はそもそもマーケティング対象外」
というのがあるかと思いますが、今回の件では
「マーケティング対象にお金の関係でサービスが提供できない」
という形になると思います。
勿論、この許せない事に対するアンサーが作品の無償公開でそれらが正しいかと言われると私にはわかりません。
つぎにイラストレーター殺す云々について
「制作サイドの理由になるのですが、実はこの決断には勇気が要りました。
制作スタッフには最初の段階ですでに給料が支払われていますが、僕や出版社は絵本の売り上げ(印税)で生活しているからです。
「無料にしてしまうと、食いっぱくれてしまうのではないか?」
そんな不安もあります。」
と記事の中で語られています。
こう書いてある限り流石にフォローされていると思います。
製作スタッフにイラストレーターが含まれているならば契約上問題ないのではないかと思います。(ここらへんは本当に無知なので間違っていたら申し訳ございません)
まあ西野さんほどの収入がある方だからこそ出来る愚行だろうと言われると、まあそうかもしれないとしか言えません。
なんか、擁護みたいになってしまいましたが私の立場は一貫して「内部事情も知らんで的外れな批判をするな」というものです。お金に縛られるのがダサいかどうかは人の勝手だし、すくなくともこの作品については消費者側なので文句は言えません。
そもそもイラストレーターの立場が低すぎるという議論についてはまた別問題だと思います。かといって、今回もそれが肝であるならば無視するわけにもいきませんが。
まとめると、私は随分と理想的な西野さんの立ち振る舞いを応援したくはありますが、その一方でクリエイターは身を粉にして作品を作り上げている現実があります。このギャップが年を重ね積み重なりついに瓦解しかけているのが今であります。とくにアニメ業界が顕著なのでは?
(その昔、時代を築きあげたクリエイターが情熱を注ぐあまり環境を顧みず素晴らしい作品をつくり続けてしまった名残だと私は考えています)
せめてこの絵本を作ったのが「お金に縛られるのはダサい」という考えを持った方々で構成されていることを祈ります。